「そんなこと考えてる間にボール来ちゃうよ」
「いろんなこと意識してたら動きがぎこちなくなる」
レッスンや練習中にセオリーや戦術を説明するときよくこういった言葉を聞きます。
こういった発言をされる方は説明していてすぐ分かります、みるみる顔色が曇り始めますから(笑)
よくボールを拾う人のことを、
「あの人は足が速いから」とか「運動神経が良いから」とかって言いますよね。
でも本当にそれが遠くのボールに追いつける人と追いつけない人の差でしょうか。
もちろんそれも大きいと思います。でも僕はそれと同じぐらいかそれ以上にアンティシペーション出来ているかどうかが関係していると思います。
例えばこう考えてみれば分かりやすいと思います。
一方のダブルスサイドラインからもう一方のダブルスサイドラインまでは10.97m。
この距離をよーいドンで競争したとしてどれぐらいの差がつくでしょう?
同じレベルの試合に出ている人同士であれば、距離も時間もほとんど変わらないと思います。
けど、いざコートで試合となるとよく動く人とそうでない人の差が出てしまう。
もう分かりますよね。
取れないと思うボールも取れる人というのは、「相手が打つ前から動き始めている」んです。
僕はテニスに限らず対人スポーツは「予測」からプレーが始まると思っています。
相手のプレーの引き出しが多ければ多いほど自分が予測しなければいけないことが増えるので、それだけ対応が難しくなります。
逆に「これはない」と予測しないでいい部分が多いプレーヤーとの対戦は楽です。
テニスにおいて相手のプレーを予測する材料としては、相手のグリップ・フォーム・心理、自分のグリップ・フォーム・心理、状況、カウント、今までの試合の流れ…等があります。これらをすべて考慮して相手の打ってくるコースやショットを予測します。
…といっても「相手のグリップが○○で、自分の打ったボールが深くて速いし、カウントも○○だから…よし、こっち!」というようにラリー中に一つずつ順序立てて頭の中で考えているわけではありません。(もしかしたらこうやって一個一個系統立てて考えて結論を出してる人もいるかもしれませんが^^;)
僕の感覚的には、こういった予測する材料が「大体」頭の中に入っていて「なんとなく」こうなるだろう、という答えが頭の中に出てきてそれに基づいて動いてる感じです。
「大体」と書いたのは、先ほどの材料すべてを頭に入れて予測してると自分で思わないからです。
その状況とあまり関係のない材料は無意識の内に無視して考えてる…うーん…違うな、そういったものはもうすでに頭の中で「勝手に」判断されていて、それを意識しなくてもそれは考慮されている、て感じかな。
以前は勉強して得た知識を頭に入れ、コート上でそれこそ「相手はグリップが厚いから速いボールをサイドに打って、走らせてパスを打たせればストレートに来やすいぞ」なんてことを一回一回“ちゃんと”頭で考えてプレーしていました。
昔はそういった予測する材料が少ないので、想定外のことが起きると頭の中によく?マークが浮かんでたなぁ(笑)
ただ、そういったことを繰り返し、また勉強を続けていくうちに判断する材料も増え、自然と次に起こりうることに高い確率で見当がつくようになってきました。
一言で言うと、「思考をはしょれるようになった」。
また、先ほど「なんとなく」と書いたのは、完璧に予測出来ているわけではではないからです。
「じゃあ意味ないじゃん」という方がいるかもしれませんが、ほんとに全ての情報を考慮して予測してたらまったく身動きがとれなくなると思います(笑)
ちょっと話がずれて僕の話になってしまいましたが(笑)、皆さんにお薦めするのは、
1.予測に関する知識をコーチや選手、または本などから集め頭の中の引き出しを増やす
2.それを頭に入れ、コート上で“意識しながら”プレーする
3.無意識にプレーしていても頭が情報を取捨選択し、高い確率で予測が出来る状態になるまでコート上で練習する
4.「もういや!全然わかんない!!」となってからが勝負、と自分に言い聞かせ腐らずやり続ける(笑)
5.特別考えてるわけでもないのに大体予測がつくようになり、僕への感謝の気持ちが芽生える(笑)
といった段階を踏んでいってもらいたいということです。
トレーニングで身体を鍛えるのも技術をマスターするのも時間がかかりますが、頭の訓練も同様に時間がかかります。
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