学習のサイクル

戦術
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コート上でよく聞くセリフ

私はレッスン中生徒さんや選手に質問を絡めたコーチングをすることが少なくありません。

技術的な練習をしている場面であれば、コーチの僕から見た客観的なフィードバックと、「自分はこう感じた」という主観的な感覚の両方が必要になってくるし、また戦術的な練習をしているのであれば、目の前の選手が「何を知っていて何を知らないか」ということを知りたいからです。

と言ってもこれはある程度テニスに習熟している方が対象になります。

テニスをまったくしたことがないといった方にはもちろんティーチングが先になります。

また人数が多い場合もティーチングメインでレッスンを進めることになりますが、それでも説明の最後になるべく「なにか分からないところありましたか?」と聞くようにしています。

そこから、「○○の説明のとこがよく分からなかったんですけど・・」と言ってきてくれる方もいますが、日本人の特徴なのかほとんどの方はノーリアクションw

でも中には「聞きたいけどなんか(周りの)空気的に聞かないほうがいい」と思って黙ってる方もいるように思います。

もしくは僕の説明を完璧に理解してくれててもう聞く必要がないかのどちらかw

そんなとき今までは、

ゆうき
ゆうき

じゃあ早速練習していきましょう!

テニ子
テニ子

・・・

ゆうき
ゆうき

ほんとに何もないですか?皆さん、なんか言いたそうな顔してますよ?!

テニ子
テニ子

コーチの説明、頭では分かってるんだけど身体がね・・・

と誰かが言うと周りの生徒さんが「そうそう!」となってなぜか皆さんのテンションが上がっていき、そこからいろいろな話に派生するですが、最終的には大体、

それが出来てたらここ(スクール)に来てないわよ

となりますw

そんなこと言わないで皆さん一緒に頑張りましょうよw

学習のサイクル

学習というのは、

出来ないということを知らない
    ↓
出来ないことを知る
    ↓
意識すれば出来る    
 ↓
無意識でも出来る

先ほどの「頭では分かってるけど身体が」と言う皆さんは、現時点では「頭で理解する」段階にいますが、練習すれば必ず「身体が理解する」段階までいけるんです。

それはどうしてかというと、これはテニスに限らずどんなことを学ぶにしてもそうですが何かを学ぶときというのは先ほどお伝えした順番で物事を学んでいくからです。

これをテニス(例えばスマッシュ)に置き換えると、

スマッシュというものを知らない
    ↓
スマッシュを自分が出来ないことを知る   
   ↓
意識すればスマッシュが打てる  
   ↓
無意識でもスマッシュが打てる

となります。

①の段階から②に行くには自分でそれに気づくか、人から知らないことを教えてもらうしかありません。
なぜならそれを知らないということを知らないのですから。

②の段階でわりと多いのは「出来ないことを知って満足してしまう」です。
③の段階に行かずに終わってしまうケースがある。

③の段階が僕は一番困難なように思います。
この段階から④の段階に行くには何度も何度も反復練習するしかないからです。

ちょっと難しい話になりますが、脳からの指令を受け上手に身体を使えるようになるには、身体中に張り巡らされている神経細胞(ニューロン)同士をシナプスを介してつなげる必要があります。

ここで脳から何度も身体に同じ指令を与えると、シナプス同士が徐々にその指令を伝えやすく、また効率良く伝えようと変化していきます。

こうして何度も同じ練習、同じ動作を繰り返すことによって、自分が行ないたい動作を脳から身体に伝えるための神経回路が作られていき、最終的に「自動的」にそれが行なえるようになるのです。
 
ここで難しいのは、この自動的に打てるようになるまでには個人差があるということです。

特にまだ神経細胞が未発達な子供と違い、ある程度出来上がっている大人はいい意味でも悪い意味でも神経細胞のつながりが強化されている。いわゆる「クセ」というやつです。

この古いクセを直し、新たな“クセ”を身に付ける過程で多くの方が挫折してしまう。

「ある程度打てるようになったのでもういいか」、と。

この状態でゲームをするとどうなるか。

ゲーム中は「どうやって相手からポイントを取るか」ということに意識を向けたいのですが、この状態だとどうしても「自分がこのボールをどうやって打つか」というほうに意識が向いてしまうため、「どこに打つか」「何を(で)打つか」などまで意識がまわらなくなります。

そのためまずい場所に打ってしまったり、まずい判断をしてしまう。また、逆にそれに意識がいき過ぎてしまうと今度はそのショット自体を失敗してしまう可能性がある。

「じゃあどうすりゃいいんだ(笑)」という声が聞こえてきそうですが、こればっかりは両方同時進行で練習するしかない。

反復練習したショットをゲームの中で使い、試し、戦術の中に落とし込んでいくという作業が必要です。

これが④の段階の次の段階でしょう。覚えたショットをどう使うのか、いつ使うのか。

とここまでダーッと書いてきましたがあっという間に2000文字w

ですのでここらでまとめますが、私が言いたいのは、

今の自分がどの段階いるのかを知り、「知ってる」「分かる」を超え、「出来る」を目指して一緒に練習して行きましょう!

ということです。

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