緊張するのは当たり前。でも、それを味方にできるかどうかが分かれ道。
市民大会や草トーナメントなど、試合に出場している方々の結果報告を聞く機会が増えてきました。
練習ではいいプレーができていたのに、試合になるとうまくいかない――そんな声が、やはり多く聞かれます。
その理由のひとつとして多く挙がるのが、「緊張」です。
「思ったより足が動かなかった」「ラケットの振りが小さくなった」「サーブがいつもの半分も入らなかった」
そんな経験、きっと多くの人があるのではないでしょうか。
でも、ここで知っておきたいのは、「緊張=悪」ではないということです。

緊張しないほうがいい?実はそうとも限らない
緊張は、私たちの身体が「大事な場面だ」と認識したときに起こる自然な反応です。
適度な緊張感は集中力を高め、むしろパフォーマンスを引き上げてくれる働きもあります。
問題なのは、過剰な緊張によって動きが硬くなってしまうこと。言い換えれば、適度な緊張は必要だけど、プレーに支障が出るほど緊張してしまっては本末転倒、というわけです。
スポーツ心理学の世界では有名な「逆U字曲線」というものがあります。

簡単に言うと、
覚醒レベル(緊張・興奮)が低すぎると集中力が不足し、パフォーマンスは低下
適度な緊張状態のときに最高のパフォーマンスが発揮される
過度に緊張するとプレッシャーに押されてミスが増え、パフォーマンスは再び低下する
ということなのですが、ではどうすればプレッシャーを少しでも和らげて、自分本来のプレーに近づけるのでしょうか。
名選手・ロッド・レーバーの言葉にヒントがある
過去にグランドスラムで数々のタイトルを獲得した名プレーヤー、ロッド・レーバーは、試合中にプレッシャーを感じたときに、こんなふうに自分に言い聞かせていたそうです。
「懸命に走って球を拾うことは、ナイスショットを決めるよりもずっと重要だ」
「最後には自分が勝つと信じること」
「“たかがテニスじゃないか”と、自分に言い聞かせる。テニスはただのゲームなんだと」
この言葉には、緊張とうまく付き合うための大切なヒントが詰まっています。
まず、「ナイスショットよりも球を拾う姿勢が大切」という考えは、結果ではなくプロセスに集中するという意味です。
いいショットを打とうとするあまりに硬くなるよりも、まずは一球一球を諦めずに拾うことを意識する。
その姿勢が、結果的に流れを引き寄せます。
そして「最後には自分が勝つ」と信じること。
これは、自己肯定感を高めるための言葉です。
結果は誰にも予測できませんが、「自分はやれる」と思えるだけで、不思議と身体の動きが軽くなります。
最後の「たかがテニスじゃないか」という言葉も印象的です。
どれだけ真剣に取り組んでいても、所詮は一つのスポーツ。
日本のプロ野球のヤクルトスワローズの元監督の故野村監督も、「たかが野球、されど野球」と言っていました。
たかが1試合、人生を左右するわけではないと一度力を抜いてみることも大切です。

緊張したときこそ思い出したい
試合を控えているとき、あるいは試合の直前や試合中に緊張を感じたときは、ロッド・レーバーの言葉をぜひ思い出してみてください。
「結果を追いすぎず、まずは一球一球をしっかり拾おう」
「自分にはできる。最後は自分が勝つと信じよう」
「大丈夫、たかがテニス。楽しもう」
この3つの言葉を心の中でつぶやくだけで、少し肩の力が抜けるかもしれません。
最後に
テニスの試合は緊張するものです。それは真剣に取り組んでいる証拠でもあります。
でも、緊張に飲み込まれてしまうのではなく、うまく味方につけられたとき、あなたのテニスはもっと伸びていきます。
練習では見えなかった自分の課題や可能性が、試合でははっきりと見えてくる。
だからこそ、怖がらずに試合の場に立ち、緊張と向き合ってみましょう。
あなたの挑戦を、心から応援しています。
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📝この記事を書いた人:
「テニスの大学」運営者 ゆうき
元テニス選手/テニスコーチ。詳しいプロフィールや活動内容はこちら👇
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