結論から言うと、レザーグリップは「グリップの角」と「打球時の情報」をはっきり感じたい人には合います。一方で、柔らかさや軽さを優先する人には合わないことがあります。上級者向けだから優れているのではなく、何を手に伝えたいかで選ぶ道具です。
私は高校時代に使っていたHEADのプレステージクラシックを、レザーの元グリのまま使っていました。最近もレザーグリップのラケットをオーバーグリップなしで使い、改めて「手とラケットの間に遊びが少ない」感触の良さを感じています。
私の評価:ダイレクトさは魅力。ただし、重量・バランス・硬さまで変わるため、何となく交換するのはおすすめしません。
テニスのレザーグリップとは?
ここでいうレザーグリップは、ラケットのハンドルに直接巻くリプレイスメントグリップ(元グリ)です。普段交換する薄いオーバーグリップとは役割が違います。
- リプレイスメントグリップ:ハンドルに直接巻く土台。厚さ、クッション性、重量に大きく関わる
- オーバーグリップ:元グリの上に巻く消耗品。汗への強さや握り心地を調整する
レザーに替えると、表面の手触りだけでなく、ラケット全体の重さやバランスも変わり得ます。単なる「グリップテープ交換」より、ラケットの調整に近いと考えたほうが正確です。
一般的な合成グリップとの違い
| 比較項目 | レザーグリップ | 一般的な合成グリップ |
|---|---|---|
| グリップの角 | 輪郭を感じやすい傾向 | クッションで丸く感じやすい傾向 |
| 打球感 | 情報が手に伝わりやすい | 衝撃が穏やかに感じやすい |
| クッション性 | 少なめ | 高めの商品が多い |
| 重量 | 重くなることが多い | 軽い商品も選びやすい |
| 向く好み | 硬め・明確・ダイレクト | 柔らかめ・快適・穏やか |
レザーグリップのメリット4つ
1. グリップの角を確認しやすい
レザーはクッション層が薄く硬めなので、ハンドルの八角形の輪郭を感じやすくなります。握り替えの位置を目で見ずに確認したい人や、面の向きを手の感覚で把握したい人には大きな利点です。
ただし、「角が分かる=必ずコントロールが上がる」ではありません。情報が増えることで扱いやすく感じる人がいる、という話です。
2. 打球感をダイレクトに受け取りやすい
ボールが当たった位置や、ラケット面のぶれを手で感じ取りやすくなります。メーカーのHEADもレザー製リプレイスメントグリップを、しっかりした感触とフィードバックを求める人向けとして案内しています。
この情報量を「気持ちいい」と感じる人には魅力ですが、「硬い」「手に響く」と感じる人もいます。感触の好みは技術レベルとは別です。
3. 手とラケットの間の遊びが少なく感じる
柔らかい元グリは、握った指がわずかに沈みます。私はその沈み込みより、レザーの硬さによって手の動きがすぐラケットへ伝わる感触を好みます。切り返しでラケットが遅れてくる感覚が苦手な人は、試す価値があります。
4. ハンドル側の重量を増やせる
レザーは合成グリップより重くなることが多く、交換すると総重量が増え、バランスポイントがハンドル側へ移る場合があります。これを利用して、手元に安定感を出したい人もいます。
ただし、バランスがハンドル寄りになっても、ラケット自体が軽くなるわけではありません。総重量は増えるため、「トップライトになれば誰でも振りやすい」とは限りません。
レザーグリップのデメリットと注意点
総重量とバランスが変わる
交換前の元グリとレザーの重量差は、商品と切り取る長さによって変わります。数値を決めつけず、交換前後を同じ秤で測るのが確実です。2本のラケットをそろえて使う人は、片方だけ交換すると振り心地がずれることにも注意してください。
クッション性が少なく、硬く感じやすい
レザーは衝撃を消す道具ではありません。手や腕に不安がある人、柔らかい握り心地を優先したい人は、まずオーバーグリップを重ねて短時間から試してください。痛みや違和感が出るなら、無理に使い続ける理由はありません。
直に握ると汗や滑りが気になることがある
レザーをそのまま握ると、革の感触を最も強く味わえます。その反面、汗の量や手の乾燥状態によっては滑りやすく感じます。汗が多い時期は、吸汗性のあるオーバーグリップを併用するほうが現実的です。
価格と巻き替えの難易度が上がる
レザーは合成グリップより高価な商品が多く、強く引っ張るか、重ね幅をどの程度にするかでも太さと感触が変わります。初めてで不安なら、テニスショップに交換を依頼するのも失敗を減らす方法です。
直に握る?オーバーグリップを巻く?
レザーを直に握る場合
- 角と硬さを最も感じやすい
- グリップが太くなりにくい
- 汗、汚れ、表面の摩耗が気になりやすい
私は現在、レザーを直に握る使い方もしています。乾いた硬めの感触が好きだからです。ただし、これは好みが分かれる使い方で、万人向けではありません。
オーバーグリップを重ねる場合
- 汗への対応と交換のしやすさを足せる
- レザーの角を残しながら、表面の感触を調整できる
- 厚みと重量がさらに増える
初めてレザーへ替えるなら、まずはオーバーグリップ併用が無難です。私はドライとウェットの中間に近いDUNLOP VIPER-DRYも長く使っています。
レザーグリップが向いている人・向かない人
向いている人
- グリップの角を明確に感じたい
- 柔らかく沈む感触が苦手
- 打球時の情報量を増やしたい
- ハンドル側の重量を増やす調整も受け入れられる
向かない可能性が高い人
- 軽いラケットのまま使いたい
- 柔らかさと衝撃吸収を最優先したい
- 汗をかいても直巻きだけで強いグリップ力が欲しい
- 現在のラケットバランスを変えたくない
初心者だから不向き、上級者だから必要、という決まりはありません。手に入る情報を増やしたいか、快適さを優先したいかで判断してください。
失敗しにくい試し方
- 交換前の総重量を測る
- 元の巻き方を写真に残す
- 重ね幅をそろえて巻く
- 最初はオーバーグリップありで短時間打つ
- サーブ、ボレー、ストロークで角と重さを確認する
- 数回使ってから直巻きも比較する
比較するときは、ストリングやテンションまで同時に変えないことが大切です。複数の条件を一度に変えると、何が打球感を変えたのか分からなくなります。ラケット重量の考え方は、ラケットを重くするメリットの記事でも詳しく解説しています。
購入候補:キモニー FAIRWAY KGL152
現行品として確認できる候補の一つが、キモニーのFAIRWAY グリップレザー KGL152です。キモニー公式にも掲載されているレザー製リプレイスメントグリップで、直に握る使い方とオーバーグリップを重ねる使い方のどちらも選べます。
正直な注記:この記事の使用感は、私が実際に使ってきたレザーグリップ全般についてのものです。KGL152そのものを使用したレビューとしては書いておらず、現行の商品情報を調査した購入候補として紹介しています。
キモニー FAIRWAY グリップレザー KGL152
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レザーグリップのよくある質問
レザーに替えるとグリップは細くなりますか?
角が立つため細く感じる人はいますが、実際の太さは製品の厚さ、引っ張り方、重ね幅で変わります。グリップサイズを厳密に合わせたい場合は、感覚だけでなく交換前後の外周も比較してください。
オーバーグリップを巻いても意味はありますか?
あります。表面はオーバーグリップの感触になりますが、レザーの硬さと角の明確さは土台として残ります。汗対策や消耗品の交換しやすさも加えられます。
肘や手首に悪いですか?
レザーだけで故障が決まるわけではありません。ただしクッション性は少ないため、衝撃を強く感じる人はいます。違和感がある場合は合成グリップへ戻す、オーバーグリップを重ねる、専門家へ相談するなど無理をしないでください。
まとめ:優劣ではなく、欲しい感覚で選ぶ
レザーグリップの魅力は、角の分かりやすさ、遊びの少なさ、ダイレクトな打球感です。代わりに、重量増加、バランス変化、クッション性の少なさを受け入れる必要があります。
私なら、「もっとラケットの情報を手で受け取りたい」と感じたときに試します。反対に、今の柔らかさや軽さに満足しているなら、流行や上級者の使用例だけで替える必要はありません。
テニス歴・コーチ歴20年以上、指導経験2,000人以上の経験からも、道具はスペックの正解より、本人が再現しやすい感覚のほうが大切だと考えています。交換前後を測り、短時間から比べて、自分の手で判断してください。



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